ナゴミの徒然日記⸜(๑’ᵕ’๑)⸝

効率から個別へ──バイスティックの7原則に学ぶケアマネの姿勢

〜個別化の大切さについて〜

こんにちは!ナゴミガーデンの前川です。

私たちケアマネジャーの仕事は「相談援助職」「対人援助職」とも呼ばれます。利用者様やご家族の方々の思いに耳を傾け、生活や介護に関する課題を整理し、よりよい暮らしに向けて支援を組み立てることが大きな役割です。

こうした日々の支援活動において、常に立ち返る指針のひとつが「バイスティックの7原則」です。1950年代にアメリカの社会福祉学者バイスティック氏によって提唱されたこの7つの原則は、今もなお相談援助・介護支援の現場で重要な考え方として受け継がれています。

今回は、その中から「個別化」という原則について、私自身が日々の業務の中で感じていることをお伝えしたいと思います。


バイスティックの7原則とは

バイスティックの7原則は、以下のように整理されています。

  1. 個別化

  2. 意図的な感情表出の許容

  3. 統制された情緒的関与

  4. 受容

  5. 非審判的態度

  6. 自己決定の尊重

  7. 秘密保持

いずれも、相談援助を行う上で「相手をどう理解し、どう関わるか」を示す大切な姿勢です。

その中で「個別化」とは、利用者様を一人のかけがえのない存在として理解し、画一的な対応ではなく、その人ならではの生活歴や価値観を尊重した支援を行うことを意味しています。


実態調査と「記号的整理」

ケアマネジャーの業務の一つに「実態調査(アセスメント)」があります。施設入居を検討されている方のもとを訪問し、病院関係者からの情報やご本人・ご家族からのお話をもとに、入居の可否を判断する大切な場面です。

限られた時間の中で身体状況・精神状態・医療的ケアの有無などを確認しなければならないため、どうしても「認知症の方」「オムツを使用されている方」「インスリン管理が必要な方」などとラベリングし、記号のように整理して判断してしまう場面があります。

これは効率的に状況を把握するためには必要な作業です。しかし、それだけでは「その人自身」を理解しているとは言えません。実態調査はあくまで入口に過ぎず、入居後の支援では必ず「個別化」に立ち返る必要があります。


「同じ病気」でも「同じ人」ではない

実態調査の現場でよく感じるのは、同じ疾患や同じ要介護度でも、利用者様ごとに生活への向き合い方や気持ちは大きく異なるということです。

例えば、認知症の方であっても、病気を「恥ずかしいもの」と感じて人前に出るのを避ける方もいれば、「できる限り自分でやりたい」と積極的に行動される方もいます。

また、オムツを使用しているという事実は同じでも、「気にせず受け入れている方」と「強い抵抗感を示される方」では支援のアプローチは全く変わってきます。

こうした違いを理解し、利用者様一人ひとりの思いを尊重して関わることこそ「個別化」の原則なのだと感じます。


個別化の実践に向けて

「個別化」を実践するためには、まず「ラベルの奥にあるその人の声に耳を傾けること」が欠かせません。病名や生活状況といった外側の情報だけで判断せず、その方がどんな人生を歩んできたのか、今何を大切にしているのかを知ることが大切です。

そのためには、面談の中での「小さな言葉」や「表情の変化」に敏感になること、そして自分自身の思い込みに気づき修正していく姿勢が求められます。

また、業務が多忙な中ではどうしても効率性が優先されがちですが、時間の制約があるからこそ「この人はどういう方なのか」という問いを常に意識することが重要です。


まとめ──個別化の姿勢を忘れずに

バイスティックの「個別化の原則」は、利用者様を唯一無二の存在として認めることの大切さを示しています。

ケアマネジャーとしての業務の中では、効率的に整理することや類型化が必要な場面も多くあります。しかし、その先に必ず「個別の人」がいることを忘れてはいけません。

「同じ病気」「同じ介護度」であっても、一人ひとりの価値観や受け止め方は違います。そこに丁寧に寄り添い、その人らしい生活を支えることが、私たちケアマネジャーの使命です。

日々の実態調査や支援の場面で、自分が「記号的整理」に偏っていないかを振り返りながら、これからも「個別化」の視点を大切にしていきたいと思います。

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