こんにちは!ナゴミガーデンの前川です。
今回も前回に引き続き「バイスティックの7原則」についてお伝えします。
今回は、その中のひとつである「自己決定の尊重」をテーマに取り上げます。
ケアマネジャーの仕事は、相談援助職・対人援助職とも呼ばれ、利用者本人やご家族の思いを受け止めながら
その方の生活や今後の支援について一緒に考えていく役割を担っています。
その根底にある考え方のひとつが、バイスティックの7原則です。
これは対人援助の現場で長く大切にされてきた基本的な姿勢であり、
現在のケアマネジメントにも深く通じるものだと感じています。
自己決定の尊重とは
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「自己決定の尊重」とは、援助者や家族が考える“正解”を一方的に押し付けるのではなく、利用者本人が自分で選び、決めることを大切にする姿勢を指します。
私たち専門職は、制度やサービス、リスクについて説明し、選択肢を整理する役割を担っています。
しかし、最終的に決定するのはあくまで本人であり、その選択を尊重することが原則とされています。
現場では、「本人の判断で大丈夫だろうか」「もっと良い方法があるのでは」と支援者側が迷う場面も少なくありません。
それでも、本人が決めるというプロセスそのものを支えることが、
自己決定の尊重につながるのだと改めて感じます。
事例から考える自己決定
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以前、「デイサービスへ行きたくない」と話された利用者様がいらっしゃいました。
ご家族からは、「行かないと体力が落ちる」「一人で家にいるのは心配」という声があり、支援者としても利用継続を勧めたくなる状況でした。
しかし、すぐに「行った方がいいですよ」と結論を出すのではなく、なぜ行きたくないのか、何が負担になっているのかを丁寧に確認しました。
話を伺う中で
・送迎時間が早く負担になっていること
・人が多く落ち着かないこと
といった理由が見えてきました。
そこで、別のデイサービスの利用や、利用回数を減らすといった選択肢を提示しました。
その中から、本人が「週1回なら行ってみる」
と決められ、その方が納得した形で支援を継続することができました。
「最善」と「本人の選択」は一致しないこともある
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自己決定を尊重することは、必ずしも支援者や家族が考える「最善」と一致するとは限りません。
支援者として「本当にこの選択で良いのだろうか」と不安を感じる場面もあります。
しかし、本人が十分な情報を得たうえで考え「自分で選んだ」という感覚を持てることは、その後の生活への納得感や安心感につながります。
たとえ結果としてうまくいかなかったとしても、「自分で決めた」という経験は、次の選択を考える力や、支援者との信頼関係につながることがあります。
自己決定を支えるということ
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自己決定を尊重することは、本人に責任を押し付けることでも、選択を「良い・悪い」と評価することでもありません。
本人が選んだ結果も含めて受け止め、必要に応じて支援を続けていく姿勢そのものが、自己決定を尊重するということなのだと感じます。
ケアマネジャーは、利用者の人生の中の「選択」に関わる仕事です。
正しさを示すことよりも、本人が納得して選び、その人らしく生活できるよう支えること。
その積み重ねが信頼関係につながり、結果としてより良い支援につながっていくのではないでしょうか。
おわりに
バイスティックの7原則のひとつである「自己決定の尊重」は、日々の支援の中で何度も立ち返りたい、大切な原則です。
忙しい現場の中でも、「この選択は誰が決めているのか」「本人の思いは十分に反映されているか」と、自分自身に問いかけながら支援を続けていきたいと思います。
今後も、利用者一人ひとりがその人らしく納得のいく生活を送れるよう丁寧なケアマネジメントを心がけていきたいと思います。





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